家を買った。
今の夫と付き合い始めてすぐに、もう家を建てる話は出ていた。
ただ、私の同意なしでの(夫の)親との同居宣言だったために私は
「どうか家を建てないでくれ」
と願っていた。
マイホームはもちろん嬉しいのだけれど、周りを見ずに頭から同居をねじ込んでくるのはちょっと…と。
それから結婚と同時ぐらいに家を建てる話が濃厚になり、工務店さんにお邪魔したりもした。
すると、見積もりが気に入らなかったらしく、家を建てる話が霞み出した。
私にとってはラッキーである。
それをいいことに、ハッキリと同居はイヤだと伝えた。
そしたら、あっさり
「じゃあ、家のことは白紙に戻そう。
同居もやめよう。」
と言ってくれたのである。
飛び上がったね。
20cmは浮いたよ。
と、同時にマイホームの夢は少し遠ざかったのだが。
そのあと1年ほどは家の話を一切してこずだったのが、私がたまたま近所に理想のモデルハウスが建っているのを見つけ、1歳になる次女と共にひょこっと見学へ。
それが勢いに繋がった。
私の理想とする間取りがそこに広がっていた。
まさにこれだ、と思った。
詳しく言うと、このモデルハウスは夫は見学していない。
家の見積もりが相当堪えたのか、私の別居宣言が痛かったのか分からないが、なかなか見に行ってくれず結局モデルハウス期間が終了し、購入者さんが居住し始めたからだ。
言葉では説明のしようがないのよね、モデルハウスの雰囲気って。
だから、似たようなモデルハウスを探しに何件も巡ることに。
でもやっぱり、最初に見たモデルハウスを超える物件ってのがない。
ある日、いつもお世話になっているハウスメーカーさんの営業さんが
「いい土地がある」
と紹介してくださった土地を見に行った。
なかなか良かった。
7区画あるが、まだ誰も契約していない。
ここでいいんじゃない、国道も近いしあそこにうどん屋もラーメン屋もあるじゃない、と。
結果、夫が気に入らなかった。
そのあと、前から紹介してくださっていた建売の家を急に夫が
「ここがいい!ここにしよう」
と言い出したのだ。
不思議なぐらいの勢いで。
今までのダラダラが嘘のように。
「まどろみが気に入ったらここ買うよ、いい?」
なんて言われて見に行った。
建売で、床暖房が付いてる。
北西向きだから、格安。
中も悪くはなかった。
私たちは、ここに決めた。
そういうわけです。
それこそダラダラ書いてしまったが、最後は案外あっさりしていたのには、ああ家買う時ってこういう心境なのか、と妙に冷静だったのを覚えている。
住宅ローンもなんとかギリギリ通り、あとは点検や説明を受けて明け渡しを待つのみ。
とは言っても、長女の受験が終わってからの引っ越し。
それまでに家具を少しずつ揃えたり運んだり。
ゆっくり作業ができる点はありがたいなと。
消費税が上がったりしなければ、ギリギリで買っていたはず。
これも何かの縁だとは思っている。
一言にまとめると、
マ イ ホ ー ム !
●まどろみ●